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アルザスに赤ワイン用グラン・クリュが爆誕!

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こんにちは。オイジーです。

アルザスのグランクリュと言えば、白ワインオンリー、そんな時代はついに終焉を迎えました。

なんといつの間にやら、アルザスに赤ワイン用のグランクリュが誕生していたんです。

アルザスの赤ワイン用グラン・クリュ

アルザス・ワインの最上格付け「アルザス・グラン・クリュ」は、長らく白ブドウ(リースリング、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネールなど)だけが名乗れるものでした。

ところが2022年の法改正により、ついにピノ・ノワールでもグラン・クリュ表記が解禁。

2024年までに3つの畑(AOC)が赤ワイン用グラン・クリュとして認められています。

2022年に認められたグラン・クリュ

ヘングスト(Hengst – ヴィンツェンハイム村)

  • コルマール西側の南〜南東向き斜面、標高270〜360m。
  • 粘土・石灰・砂岩を含む土壌。総面積約53ha、そのうちピノ・ノワールは約5ha。
  • 白品種(ゲヴュルツトラミネールやピノ・グリ)が主流だが、アルベール・マンやポール・ビュッヒャーなど約10軒がピノ・ノワールを栽培。
  • 力強いボディとしっかりしたタンニン、スパイスや赤果実の複雑な香り。数年の熟成で滑らかさが増すスタイル。

キルシュベルク・ド・バール(Kirchberg de Barr – バール村)

  • コルマール北の丘陵地、南東向き斜面、標高220〜350m。
  • 石灰質と泥灰質の土壌。総面積約40ha、そのうちピノ・ノワールは約4ha。
  • 主にリースリングやピノ・グリが栽培されるが、マルク・クレイデンヴァイスやドメーヌ・ボエケルがピノ・ノワールを手がける。
  • 凝縮した赤い果実味と透明感のある酸が魅力。軽やかで食事に合わせやすい。

2024年に認められたグランクリュ

ヴォルブール(Vorbourg – ルファック/ヴェスタルタン村)

  • グラン・バロンとプティ・バロン山の麓、南〜南東向き斜面、標高210〜300m。
  • 石灰質と砂岩に粘土が混じる土壌。総面積73.61haの大規模畑。
  • 2024年に3番目のピノ・ノワール用グラン・クリュとして認可。
  • 赤・黒ベリーにリコリスや鉛筆芯を思わせる香り。豊かなボディと緻密なタンニンを備え、長期熟成に最適。3つの中でも最も骨格的で、アルザス赤のポテンシャルを強く示す。

規制と品質向上

ピノ・ノワールのグラン・クリュには特別に厳しい規定があります。

  • 潜在アルコール度数:ヘングスト12.5%以上、キルシュベルク12%以上、ヴォルブール未確認
  • 最大収量:40hl/ha
  • 補糖禁止
  • 最低熟成期間:10か月

これらにより、従来より濃密で熟成力を持つアルザスの赤が誕生することになりました。

まとめ

現在ピノ・ノワールで「アルザス・グラン・クリュ」を名乗れるのは、ヘングスト、キルシュベルク・ド・バール、ヴォルブールの3つのみ。

どの畑も石灰質土壌による豊かなミネラル感と良好な日照条件を共通項としつつ、標高や斜面の向きが異なることでワインの個性が大きく変わります。

現在世界ではピノの人気爆発中ですし、これからもアルザスのグランクリュが増えていく可能性は大きそうですね。

進化を続けるアルザスのアペラシオン、今後も要注目です!

参考文献

https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX%3A52022XC1005%2803%29

https://www.legifrance.gouv.fr/jorf/id/JORFTEXT000049892619

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